ゼロから学ぶ経理入門~その4~ 仕訳とは?

ゼロから学ぶ経理入門~その4~ 仕訳とは?

ゼロから学ぶ経理入門~その4~ 

こんにちは。

簿記を学び始めると、最初につまずきやすいのが「仕訳(しわけ)」ですよね。借方・貸方のルールや勘定科目の使い分けに戸惑うことも多いかもしれません。でも、仕訳の基本ルールをしっかり押さえれば、スムーズに記録できるようになります!本記事では、仕訳の仕組みや覚え方を分かりやすく解説します。「なんとなく理解しているけど自信がない…」という方も、これを読めばスッキリ整理できるはず。一緒に仕訳の基本をマスターしましょう!

1.仕訳とは?基本の考え方を押さえよう

簿記を学ぶうえで、最初に理解すべき重要な概念が「仕訳」です。仕訳を正しく行えなければ、財務諸表を作成することもできません。しかし、初心者の方にとっては「そもそも仕訳とは何なのか?」「なぜ必要なのか?」と疑問に思うことも多いでしょう。

そこで今回は、仕訳の基本的な考え方やその目的、取引を記録する重要性について詳しく解説します。

(1)仕訳とは?簡単に説明すると

仕訳とは、日々の取引を「勘定科目」「金額」に分け、帳簿に記録する作業のことを指します。

たとえば、あなたが商売をしていて「現金で商品を1,000円仕入れた」としましょう。この取引をそのまま「仕入れた」「現金を払った」とメモするのではなく、以下のように整理して記録します。

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
仕入 1,000 現金 1,000

このように、取引をルールに沿って「借方(左)」と「貸方(右)」に振り分けるのが仕訳の基本です。

(2)仕訳の目的とは?なぜ必要なのか

仕訳を行う目的は、大きく3つあります。

① 企業の財務状況を正確に把握するため

企業は日々、売上や仕入れ、経費の支払いなど、さまざまな取引を行います。それらを正しく記録しなければ、現在の資産や負債の状況、利益がどれくらい出ているのかが分かりません。

正確な仕訳を積み重ねることで、最終的に「貸借対照表(B/S)」や「損益計算書(P/L)」といった財務諸表を作成でき、企業の経営状態が明確になります。

② 税務申告や決算のため

企業は毎年、決算を行い、税務署に対して申告をしなければなりません。その際、売上や経費が適切に記録されていなければ、正しい税金を計算することができません。

適切な仕訳を行うことで、税務申告の際のミスを防ぎ、余計な税金を支払うリスクを減らすことができます。

③ 取引の証拠を残すため

仕訳を帳簿に残しておくことで、過去の取引をいつでも確認できるようになります。

たとえば、「3か月前に〇〇社に商品を売ったけど、まだ入金されていない気がする…」という場合、仕訳を見れば「売掛金(未回収の売上)が残っているかどうか」がすぐに分かります。

このように、取引の証拠として仕訳を残すことは、事業を円滑に運営するために欠かせない作業なのです。

(3)仕訳の基本ルールを押さえよう

仕訳にはいくつかの基本ルールがあります。ここでは、最も重要な3つのルールを紹介します。

① 「借方」と「貸方」は必ず一致する

仕訳では、「借方」と「貸方」の金額が必ず同じになります。

例えば、現金1,000円で商品を仕入れた場合、以下のように仕訳をします。

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
仕入 1,000 現金 1,000

左と右の金額が同じであることが重要です。

② 勘定科目には「資産・負債・純資産・収益・費用」の5つの種類がある

仕訳で使う「勘定科目」は、大きく分けて5種類あります。

勘定科目の種類   増えた時の処理 減った時の処理
資産 現金、売掛金、備品 借方 貸方
負債 買掛金、借入金 貸方 借方
純資産 資本金、利益剰余金 貸方 借方
収益 売上、受取利息 貸方 借方
費用 仕入、給与、家賃 借方 貸方

このルールを覚えておけば、どの勘定科目を借方・貸方のどちらに記録すべきかが分かるようになります。

③ 取引ごとに仕訳のパターンを覚える

仕訳の基本を理解したら、実際の取引ごとのパターンを覚えましょう。

取引内容 借方(左側) 貸方(右側)
現金で商品を仕入れた 仕入 現金
商品を掛け(後払い)で仕入れた 仕入 買掛金
商品を現金で売った 現金 売上
商品を掛け(後払い)で売った 売掛金 売上

このように、よくある取引の仕訳を繰り返し練習することで、自然と身についていきます。

(4)仕訳を正確に行うためのポイント

最後に、仕訳を正確に行うためのポイントを紹介します。

 ★勘定科目を正しく選ぶ(「売掛金」と「現金」など、混同しやすいものに注意)

 ★借方・貸方を逆にしない(特に収益と費用の仕訳は間違えやすい)

 ★試算表や財務諸表と整合性を確認する(ミスがあると、最終的な財務諸表がズレる。)

仕訳は簿記の基礎中の基礎ですが、正しく行うことで企業の経営状況を把握しやすくなります。焦らずじっくりと、基本を押さえながら練習していきましょう!

2.勘定科目の選び方とよくあるミス

簿記の仕訳を行う際、最も重要なのが「勘定科目(かんじょうかもく)の選び方」です。取引を正しく記録するためには、どの勘定科目を使うべきかを正しく判断する必要があります。しかし、初心者のうちは勘定科目の分類が分からなかったり、似たような科目を混同してしまったりすることがよくあります。

そこで今回は、勘定科目の基本的な選び方と、初心者がよく間違えるポイントについて解説します。

(1)勘定科目とは?基本の考え方

勘定科目とは、会社のお金や資産の動きを分類するための名前のことです。簿記では、全ての取引を「勘定科目」というカテゴリに当てはめて記録します。

例えば、

 ★現金で商品を仕入れた → 「仕入」

 ★銀行からお金を借りた → 「借入金」

 ★お客様から売上代金を後日もらうことになった → 「売掛金」

このように、取引の種類ごとに適切な勘定科目を選んで記録します。

(2)勘定科目の分類と選び方の基本ルール

勘定科目は、大きく 5つのカテゴリー に分かれます。

①資産:会社が持っているお金や物   ②負債:会社が支払わなければならないお金

③純資産:会社の財産   ④収益:会社の収入   ⑤費用:会社の支出

この5つのどれに分類されるかを考えると、勘定科目を選びやすくなります。

<勘定科目の選び方のポイント>

①取引の内容を確認する

②5つの分類のどれに当てはまるかを考える

③適切な勘定科目を選ぶ

例えば、「オフィスの机を買った」場合、

  • 何か物を手に入れている → 資産
  • 長期間使うもの → 備品(資産)

このように、取引の性質を考えると適切な勘定科目を選びやすくなります。

(3)初心者がよく間違える勘定科目の例

簿記を学び始めたばかりの人が特に混同しやすい勘定科目を紹介します。

① 売掛金と買掛金の混同

  • 売掛金(資産) → 商品を売ったが、まだ代金を受け取っていないお金
  • 買掛金(負債) → 商品を仕入れたが、まだ代金を支払っていないお金

例: 10,000円の商品を掛けで販売した場合

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
売掛金 10,000 売上 10,000

「売掛金=未回収の売上」「買掛金=未払いの仕入」と覚えると間違えにくくなります。

② 現金と預金の区別

  • 現金 → 会社の手元にある紙幣や硬貨
  • 普通預金・当座預金 → 銀行に預けているお金

例: 銀行口座に現金50,000円を預けた場合

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
普通預金  50,000 現金 50,000

「現金=手元にあるお金」「預金=銀行にあるお金」 と区別しましょう。

③ 消耗品費と備品の違い

  • 消耗品費(費用) → 使用期間が1年未満、または少額(10万円未満)のもの。
  • 備品(資産) → 使用期間が1年以上のもの

例: 会社でプリンター(50,000円)を購入した場合

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
消耗品費  50,000 現金 50,000

もし30万円の高額なプリンターを買った場合は「備品」として記録します。

④ 仕入と消耗品費の混同

  • 仕入(費用) → 会社が販売目的で仕入れた商品
  • 消耗品費(費用) → 会社が業務で使うために買ったもの

例: 雑貨店が売るための商品を10,000円仕入れた場合

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
仕入 10,000 現金 10,000

「仕入は売るための商品」「消耗品費は会社が使うもの」と考えると分かりやすくなります。

(4)勘定科目を間違えないためのコツ

 ★取引の内容を正しく理解する

  「お金が動いた=現金」と決めつけず、「何のための取引か」を考えましょう。

 ★よく使う勘定科目を一覧にして覚える

  例えば、仕訳の頻出パターンをまとめたリストを作っておくと、スムーズに選べるようになります。

 ★間違えやすい科目を重点的に復習する

  特に「売掛金・買掛金」「消耗品費・備品」「仕入・消耗品費」など、混同しやすい科目を意識的に復習しましょう。

3.仕訳をスムーズにするコツと勉強法

簿記を学ぶ上で最も基本となるのが 仕訳(しわけ) です。仕訳を正しく行えなければ、財務諸表(貸借対照表や損益計算書)を作成することもできません。

しかし、仕訳に慣れていない初心者のうちは、「この取引にはどの勘定科目を使えばいいの?」 「借方・貸方が分からなくなる…」 などと、なかなかスムーズに進まないことが多いでしょう。

そこで今回は、仕訳を素早く正確にできるようになるための コツと勉強法 を詳しく解説していきます。

(1)仕訳を正確にするためのポイント

① 「何が増えた?何が減った?」を考える習慣をつける

仕訳をする前に、取引の内容を 「何が増えて、何が減ったのか」 に分解して考えましょう。

例えば、「事務用品を1,000円で購入し、現金で支払った」 という取引を考えます。

  • 増えたもの → 事務用品(消耗品費=費用)
  • 減ったもの → 現金(資産)

このように、取引を分解すると、どの勘定科目を使うべきかが明確になります。

仕訳の形

借方(左側) 金額  貸方(右側) 金額
消耗品費 1,000 現金 1,000

② 仕訳のルールをシンプルに覚える

初心者が混乱しやすいのは、「借方・貸方のどちらに記入するか?」という点です。

基本ルールをシンプルに覚えると、ミスを減らせます。

・「資産と費用」は増えたら借方、減ったら貸方。

・「負債・純資産・収益」は増えたら貸方、減ったら借方。

この2つのルールを意識するだけで、仕訳のスピードが大幅に向上します!

(2)仕訳の勉強法

① 毎日少しずつ仕訳の問題を解く

仕訳は 反復練習 が重要です。毎日少しずつでも問題を解き続けることで、パターンが身につきます。

・1日5〜10問の仕訳問題を解く

 間違えた問題は、なぜ間違えたのか振り返る

これを習慣にすることで、仕訳のスピードが確実に向上します。

② 「なぜこの勘定科目を使うのか?」を意識する

仕訳をする際に、 「なぜこの勘定科目を選んだのか?」 を意識すると、理解が深まります。

例えば、「文房具を現金で買った」場合、なぜ「消耗品費」なのかを考えることで、他の勘定科目(備品など)との違いも理解できるようになります。

③ 実生活の取引を仕訳にしてみる

日常の買い物や銀行取引を 仕訳の形にして考える ことで、勘定科目の使い方に慣れることができます。

・スーパーで買い物をした →(借方)食費(費用)、(貸方)現金(資産)

クレジットカードで買い物をした →(借方)消耗品費(費用)、(貸方)未払金(負債)

このように、日常の取引を仕訳に変換する習慣をつけると、簿記の勉強がぐっと身近になります。

4.おわりに

仕訳は簿記の基本であり、企業の財務状況を正しく把握するために欠かせない作業です。適切な勘定科目を選び、正確に記録することで、財務諸表の作成や税務申告、経営判断がスムーズに行えるようになります。

仕訳をスムーズに行うためのポイント は以下のとおりです。

 ★仕訳の基本ルールを理解する

  仕訳は「借方(左)」と「貸方(右)」に分けて記録する。

  「資産・費用」が増えたら借方、「負債・収益」が増えたら貸方。

 ★勘定科目の選び方をマスターする

  「売掛金」と「買掛金」、「消耗品費」と「備品」など、間違えやすい勘定科目の違いを理解する。

  5つの分類(資産・負債・純資産・収益・費用)を意識することで、適切な勘定科目を選びやすくなる。

 ★仕訳のパターンを覚え、反復練習する

  よくある仕訳のパターン(現金取引・掛取引など)を覚えることで、仕訳のスピードが上がる。

  毎日5〜10問の仕訳問題を解き、反復練習することで自然と身につく。

 ★日常生活の取引を仕訳に置き換えて考える

  スーパーでの買い物、銀行振込、クレジットカード決済など、実際の取引を仕訳に変換する練習をすると理解が深まる。

最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し練習することで、仕訳はスムーズに行えるようになります。焦らず、少しずつ学習を進めていきましょう!